2017年08月15日
ATOM170fというダイビングペンシルについて
製作している看板ルアーに
ATOM170f
というものがあります。
今回はこちらのルアーについて詳しく説明しようと思います。
かなり長いので一個人が考えるダイビングペンシルについて興味のない方は時間の無駄になると思います。
もっとタメになるサイトがたくさんあるので是非そちらをご覧になってください。

こちらのルアーですが、お手本とするルアーは特にありません・・・・・・・・ガンマ??
シルエット
カーペンターのガンマに似ていますが、同サイズのガンマよりフロントベリー(アゴ)の部分のふくらみが控えめとなっています。
テール部分は絞り気味で、ウェイト封入のタイプのルアーの有利な点を活かしているつもりです。
このサイズのダイビングペンシルでは一般的な、
おしりにキノコ型のウェイトを仕込んであるタイプはより後ろに重心を置くことができるので、飛行姿勢の安定と飛距離の伸びにつながります。ですが、その一方でテール部分の太さがウェイトの幅になり、太くなります。
テールよりも大きなウェイトを中に仕舞い込めるのは封入タイプの大きな武器になり、大きなウェイトを比較的後方に仕込めますが、テールを絞ることができるため、その点を活かしています。
正面から見た形は楕円形
側面はフラット気味でゆっくりとしたアール
ラインアイは正面から見たときの楕円の中心に設置してあります。
ラインアイをやや下向きにすることもありましたが、ダイブに大きな影響はなかったので中心で落ち着いています。
ルアーが細身のシルエットであることからヘッド部分での水受けは少なく、引き抵抗を比較的小さくすることができました。
以前市販のルアーを使用していた時にローデッド180fをキャストしたことがありましたが、ブリブリと泳ぐのですが、引き抵抗がすごく大きく、これは1日中キャストすることは体力的に疲れるぞ。集中力が続かないぞ。
と思い、引き抵抗はできるだけ小さくさせたい願望があったからです。
フロントのフックアイは中心より1~2センチ前に置いてます。ラインとフックが絡むのはどうやっても避けられませんが、
初期型から現在までここの変更は行ってません。
えびになる度に直せばいいだけです。
ボディのシルエットですが、ATOMはテールに向かえば向かうほどラフですが円に近づけています。
同じATOMでもラウンドタイプ(r)とスクエア(sq)で両方とも作りましたが、明らかにラウンドタイプの引き抵抗は小さくアクションは優れています。

動きから察するにスクエアではルアーを纏う水流に大きな乱れが無いのではないかと推測します。

アクション
次にアクションですが、ダイビングペンシルはロールやウォブリングという言葉ではアクションを説明することが難しいです。
一言で言い表すならばS字アクションです。Z字と言ったりすることもあるかもしれませんが、ATOMではそこまで左右に振るためにはショートジャークを繰り返さないと無理でしょう。体力的にも疲れます。
ATOM170fが目指したのは
「ロングジャークで水面を割らずに水面を荒らしながらS字で泳ぐ。」
ガンマなんかは見事なまでにそれを成しています。
ではどうすれば作れるのか。
ルアーを作る際に
まずは方眼紙にデッサンを描き、シルエットを考えます。
①頭がデカイのがいいのか
②絞りを入れるのか
③角を効かせるのか
ここで考えなければいけないなのが、静止状態での浮き姿勢です。
⑴フローティングであること。
⑵フックを装着して浮いている状態での角度。
⑶水面からどこの部分がどれだけ出るのか。
ATOM170fは
(1)は素材上必ず浮く。問題はウェイトをどれくらい仕込めるか。
⑵が垂直立ち
⑶が目玉から側面シールのある点(内緒)までの間が許容範囲です。
もし調整が必要ならばフックの重量を変更して対応します。
飛距離を伸ばしたいためにルアーを重くしたい。ロッドのキャパシティの範囲で必ず思うことですね。
今は重心の位置を考えずにルアーを重くしてみましょう。
同じ重さでもルアーの形状次第で沈んでしまいます。ウェイトを仕込む場所よりもラインアイ側に浮力の主となる位置が来なければなりません。
玉ウキとヘラウキの重量に対する敏感さを考えるとお分かりになるかと思います。
ATOM170fはその辺を考慮しフロント付近のベリーに膨らみをもたせました。
ラインアイ付近が大きくなるとルアーの初速が大きくなった時、水の抵抗を大きく受けるようになります。逆にラインアイに向けてキュッと絞って行くとスッと小さな抵抗で泳ぐことになるでしょう。
例えれば
水泳選手が泳ぐ時に
指先までピンと伸ばした状態で泳ぐのか
首や肘を曲げて泳ぐのか。
壁を蹴った時(ラインを引いた時)に水の抵抗を大きく受けるのがどちらかは明白です。
じゃあ水の抵抗を受けるのがダメなのか。というとそうでもありません。
先端をできるだけ絞ってしまえ!と安易に考えると、ルアーを引いたときに抵抗なくスッとルアーを引くことができますが、
水の抵抗を受けない分、棒引きに近づいてしまいます。
それではアクション不足になってしまうので、いい塩梅の水の抵抗をうけさせます。(程度はお好みで)
そこでルアーを纏う水流を少し考えてみるのですが、物体と流体の関係をしらべてみるともう、ちんぷんかんぷんです。
ですが、いまのところ、この2つのルアーの側面の形状とアクションを比べてみるとラウンドタイプにアクションの軍配が上がることはまちがいないので、ラウンドタイプをおすすめします。

スクエア

ラウンド
潜る深さ
ATOM170Fはダイブしてアクションしたところで潜る深さは5cm~30cmです。
ダイビングペンシルなので、リップはついていないため潜る深さはコレが限界です。
水面直下なので、水面に波紋を出してアクションします。
(1) 垂直姿勢が沈み気味の場合
アクションさせる際にテール部分で水面をモジるようなアピールをします。
凪の時なんかは見ていて興奮します。
(2) 垂直姿勢が浮き気味の場合
ボディ全体で水面をかき回す様なアピールをします。
一見魚がルアーにバイトしてるんじゃないか。と思うほどのアクションを行う時があります。面が荒れているときなんかはこっちの方がいいかもしれません。
ルアーの使用目的や、その日の水面の状況でフックサイズを調整するといいかと思います。
ルアーのカラーリング
製作する時に気分次第です。
トップは黒が有効とか、ナチュラルがいいとか、アピールがいいとかいろいろありますが、特に気にしていません。
背面を黄色やピンクにすることでキャスト後のアクションがよくわかるのは有効ですね!
しかし、波紋を出してアクションするので、遠くても見えます・・・
対象魚
ブリ、ヒラマサ、カンパチ、シイラ等の青物全般です。マグロに対する耐久性は・・・・・?メーターシイラで大丈夫だったので、多分大丈夫だとは思いますが、、、
牙物には・・・向きません。
ダツのアタックを受けると歯形が残りました。ウレタンでもそうですが、セルロースセメントだとしかたがありませんね。
まとめ
ここまでダラダラと読んでいただき、おつかれさまでした。
数パターンの形状を製作し、試してみました。現在もキールを試してみたかったり、ラウンドとエッジを共生させるようなルアー作ったりしています。
しかし、自分が自信を持って前に出せるルアーはATOM170f、140f、MASH110f、ウッドポッパーです。
添付されている写真はまあまあ初期のルアーですので、現在はもう少し完成度も上がってますよ!
今回、2017.7のLotが完成したので、ATOMについて長々と書かせて頂きました。
興味をお持ちになられた方は、「高けーよ!生意気!使ってやんよ!」ぐらいの気持ちで一報頂ければ在庫を確保致しますのでなにとぞよろしくお願いいたします。
この文章はちょっと時間をかけて打っていたのですが、翌日には完売しておりました。ありがとうございます。
現在、なけなしのラス1を販売しております。
これからもATOM170fをどうぞよろしくお願いいたします。かしこ。
ATOM170f
というものがあります。
今回はこちらのルアーについて詳しく説明しようと思います。
かなり長いので一個人が考えるダイビングペンシルについて興味のない方は時間の無駄になると思います。
もっとタメになるサイトがたくさんあるので是非そちらをご覧になってください。

こちらのルアーですが、お手本とするルアーは特にありません・・・・・・・・ガンマ??
シルエット
カーペンターのガンマに似ていますが、同サイズのガンマよりフロントベリー(アゴ)の部分のふくらみが控えめとなっています。
テール部分は絞り気味で、ウェイト封入のタイプのルアーの有利な点を活かしているつもりです。
このサイズのダイビングペンシルでは一般的な、
おしりにキノコ型のウェイトを仕込んであるタイプはより後ろに重心を置くことができるので、飛行姿勢の安定と飛距離の伸びにつながります。ですが、その一方でテール部分の太さがウェイトの幅になり、太くなります。
テールよりも大きなウェイトを中に仕舞い込めるのは封入タイプの大きな武器になり、大きなウェイトを比較的後方に仕込めますが、テールを絞ることができるため、その点を活かしています。
正面から見た形は楕円形
側面はフラット気味でゆっくりとしたアール
ラインアイは正面から見たときの楕円の中心に設置してあります。
ラインアイをやや下向きにすることもありましたが、ダイブに大きな影響はなかったので中心で落ち着いています。
ルアーが細身のシルエットであることからヘッド部分での水受けは少なく、引き抵抗を比較的小さくすることができました。
以前市販のルアーを使用していた時にローデッド180fをキャストしたことがありましたが、ブリブリと泳ぐのですが、引き抵抗がすごく大きく、これは1日中キャストすることは体力的に疲れるぞ。集中力が続かないぞ。
と思い、引き抵抗はできるだけ小さくさせたい願望があったからです。
フロントのフックアイは中心より1~2センチ前に置いてます。ラインとフックが絡むのはどうやっても避けられませんが、
初期型から現在までここの変更は行ってません。
えびになる度に直せばいいだけです。
ボディのシルエットですが、ATOMはテールに向かえば向かうほどラフですが円に近づけています。
同じATOMでもラウンドタイプ(r)とスクエア(sq)で両方とも作りましたが、明らかにラウンドタイプの引き抵抗は小さくアクションは優れています。
動きから察するにスクエアではルアーを纏う水流に大きな乱れが無いのではないかと推測します。
アクション
次にアクションですが、ダイビングペンシルはロールやウォブリングという言葉ではアクションを説明することが難しいです。
一言で言い表すならばS字アクションです。Z字と言ったりすることもあるかもしれませんが、ATOMではそこまで左右に振るためにはショートジャークを繰り返さないと無理でしょう。体力的にも疲れます。
ATOM170fが目指したのは
「ロングジャークで水面を割らずに水面を荒らしながらS字で泳ぐ。」
ガンマなんかは見事なまでにそれを成しています。
ではどうすれば作れるのか。
ルアーを作る際に
まずは方眼紙にデッサンを描き、シルエットを考えます。
①頭がデカイのがいいのか
②絞りを入れるのか
③角を効かせるのか
ここで考えなければいけないなのが、静止状態での浮き姿勢です。
⑴フローティングであること。
⑵フックを装着して浮いている状態での角度。
⑶水面からどこの部分がどれだけ出るのか。
ATOM170fは
(1)は素材上必ず浮く。問題はウェイトをどれくらい仕込めるか。
⑵が垂直立ち
⑶が目玉から側面シールのある点(内緒)までの間が許容範囲です。
もし調整が必要ならばフックの重量を変更して対応します。
飛距離を伸ばしたいためにルアーを重くしたい。ロッドのキャパシティの範囲で必ず思うことですね。
今は重心の位置を考えずにルアーを重くしてみましょう。
同じ重さでもルアーの形状次第で沈んでしまいます。ウェイトを仕込む場所よりもラインアイ側に浮力の主となる位置が来なければなりません。
玉ウキとヘラウキの重量に対する敏感さを考えるとお分かりになるかと思います。
ATOM170fはその辺を考慮しフロント付近のベリーに膨らみをもたせました。
ラインアイ付近が大きくなるとルアーの初速が大きくなった時、水の抵抗を大きく受けるようになります。逆にラインアイに向けてキュッと絞って行くとスッと小さな抵抗で泳ぐことになるでしょう。
例えれば
水泳選手が泳ぐ時に
指先までピンと伸ばした状態で泳ぐのか
首や肘を曲げて泳ぐのか。
壁を蹴った時(ラインを引いた時)に水の抵抗を大きく受けるのがどちらかは明白です。
じゃあ水の抵抗を受けるのがダメなのか。というとそうでもありません。
先端をできるだけ絞ってしまえ!と安易に考えると、ルアーを引いたときに抵抗なくスッとルアーを引くことができますが、
水の抵抗を受けない分、棒引きに近づいてしまいます。
それではアクション不足になってしまうので、いい塩梅の水の抵抗をうけさせます。(程度はお好みで)
そこでルアーを纏う水流を少し考えてみるのですが、物体と流体の関係をしらべてみるともう、ちんぷんかんぷんです。
ですが、いまのところ、この2つのルアーの側面の形状とアクションを比べてみるとラウンドタイプにアクションの軍配が上がることはまちがいないので、ラウンドタイプをおすすめします。
スクエア
ラウンド
潜る深さ
ATOM170Fはダイブしてアクションしたところで潜る深さは5cm~30cmです。
ダイビングペンシルなので、リップはついていないため潜る深さはコレが限界です。
水面直下なので、水面に波紋を出してアクションします。
(1) 垂直姿勢が沈み気味の場合
アクションさせる際にテール部分で水面をモジるようなアピールをします。
凪の時なんかは見ていて興奮します。
(2) 垂直姿勢が浮き気味の場合
ボディ全体で水面をかき回す様なアピールをします。
一見魚がルアーにバイトしてるんじゃないか。と思うほどのアクションを行う時があります。面が荒れているときなんかはこっちの方がいいかもしれません。
ルアーの使用目的や、その日の水面の状況でフックサイズを調整するといいかと思います。
ルアーのカラーリング
製作する時に気分次第です。
トップは黒が有効とか、ナチュラルがいいとか、アピールがいいとかいろいろありますが、特に気にしていません。
背面を黄色やピンクにすることでキャスト後のアクションがよくわかるのは有効ですね!
しかし、波紋を出してアクションするので、遠くても見えます・・・
対象魚
ブリ、ヒラマサ、カンパチ、シイラ等の青物全般です。マグロに対する耐久性は・・・・・?メーターシイラで大丈夫だったので、多分大丈夫だとは思いますが、、、
牙物には・・・向きません。
ダツのアタックを受けると歯形が残りました。ウレタンでもそうですが、セルロースセメントだとしかたがありませんね。
まとめ
ここまでダラダラと読んでいただき、おつかれさまでした。
数パターンの形状を製作し、試してみました。現在もキールを試してみたかったり、ラウンドとエッジを共生させるようなルアー作ったりしています。
しかし、自分が自信を持って前に出せるルアーはATOM170f、140f、MASH110f、ウッドポッパーです。
添付されている写真はまあまあ初期のルアーですので、現在はもう少し完成度も上がってますよ!
今回、2017.7のLotが完成したので、ATOMについて長々と書かせて頂きました。
興味をお持ちになられた方は、「高けーよ!生意気!使ってやんよ!」ぐらいの気持ちで一報頂ければ在庫を確保致しますのでなにとぞよろしくお願いいたします。
この文章はちょっと時間をかけて打っていたのですが、翌日には完売しておりました。ありがとうございます。
現在、なけなしのラス1を販売しております。
これからもATOM170fをどうぞよろしくお願いいたします。かしこ。
この記事へのコメント
お久しぶりです。質問いいですか?ウレタン製品のペンシルでも塗装とか出来ますか?
Posted by ®️xH at 2017年08月21日 12:45
ご無沙汰しております。最近の釣果はいかがですか?
ウレタン製品のペンシルの塗装という事ですが、サーフェイサーを吹けば塗装は可能だと思いますよ!トップコートにセルロースセメントを使うと黄変の可能性が0ではないので、トップコートもウレタンを使用された方がいいと思いますよ。
ウレタンの知識が乏しすぎるので明確な事が言えず申し訳ありません!
ウレタン製品のペンシルの塗装という事ですが、サーフェイサーを吹けば塗装は可能だと思いますよ!トップコートにセルロースセメントを使うと黄変の可能性が0ではないので、トップコートもウレタンを使用された方がいいと思いますよ。
ウレタンの知識が乏しすぎるので明確な事が言えず申し訳ありません!
Posted by 黄色
at 2017年08月21日 21:57

最近は暑くて行けてないです。2カ月前に3キロ1本です。
タイドプールの塗装をしてもらいたいなと思い質問しました。可能でしょうか?
タイドプールの塗装をしてもらいたいなと思い質問しました。可能でしょうか?
Posted by ®️xH at 2017年08月21日 22:44
塗装をする事は可能ですが、トップコートでルアーがパァになってしまう可能性大です。
それでも良いと仰るならばトップコートをセルロースセメント限定で対応してみようかと思いますが、、、全くもっておすすめ出来ません。
ルアーの塗装だけならお手本にさせていただているこちらに一度お問い合わせしてみてはいかがですか?
http://fishinglifejp.hamazo.tv
それでも良いと仰るならばトップコートをセルロースセメント限定で対応してみようかと思いますが、、、全くもっておすすめ出来ません。
ルアーの塗装だけならお手本にさせていただているこちらに一度お問い合わせしてみてはいかがですか?
http://fishinglifejp.hamazo.tv
Posted by 黄色
at 2017年08月22日 15:48

わかりました。
やめときますね ありがとうございました。
やめときますね ありがとうございました。
Posted by ®️xH at 2017年08月22日 21:17
申し訳ないです!
また何かあれば申してくださいね!
また何かあれば申してくださいね!
Posted by 黄色
at 2017年08月22日 23:09

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